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スマートウェルネス住宅とは?│iog-sw.jp

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スマートウェルネス住宅とは?

2025年7月4日

現代における理想の住宅。スマートウェルネス住宅

近年では、環境問題への関心や健康意識が高まり、住環境に対して求められるものにも変化が見られます。

住宅は住環境を快適にすると同時に、環境への配慮も必要であると考えられるようになってきました。

スマートウェルネス住宅は、省エネや環境に配慮したうえで家族の健康を考えた家づくりを実現する、現代における理想の住宅といえます。

この記事では、スマートウェルネス住宅の特徴や実現の方法、さらには住宅だけでなくスマートウェルネスの観点から考える街づくりの構想について解説していきます。

この記事でわかること

  • スマートウェルネス住宅はスマート住宅とウェルネス住宅の特徴を併せ持ったもの
  • スマートウェルネス住宅に期待できることは多岐にわたる
  • スマートウェルネス住宅は建売でも叶う
  • スマートウェルネス住宅はリフォームでも実現できる
  • スマートウェルネス住宅からスマートウエルネスシティ構想へ

スマートウェルネス住宅はスマート住宅とウェルネス住宅の特徴を併せ持ったもの

誰もが住みやすい住環境

スマートウェルネス住宅とは、スマート住宅とウェルネス住宅の特徴を併せ持った住宅のことです。

スマートウェルネス住宅は、省エネや環境に配慮したスマート住宅と家族の健康と安全を守るウェルネス住宅の利点を組み合わせることで、多様な暮らし方に対応が可能と考えられています。

さらにスマートウェルネス住宅は、子育て世帯や高齢者世帯、障害者など誰もが住みやすい住環境を指しています。

高齢化が進む日本にとって、健康寿命を延ばす取り組みは特に重要視されており、スマートウェルネス住宅の効果が期待されているのです。

国土交通省が、スマートウェルネス住宅等推進事業といったスマートウェルネス住宅実現のための支援を行っていることからも、今後の日本においての重要性や期待値の高さがわかるでしょう。

高齢者、障害者、子育て世帯等の多様な世帯が安心して健康に暮らすことができる住環境(スマートウェルネス住宅)を実現するため、 サービス付き高齢者向け住宅の整備、住宅確保要配慮者専用の住宅とする場合の改修、介護予防や健康増進、多世代交流、子育て世帯へ の支援等を考慮した先導的な住環境整備及び子育て世帯等のための支援施設や住まいの整備を伴う市街地再開発事業等に対して支援。

出典:国土交通省

国土交通省が掲げているスマートウェルネス住宅等推進事業の内容は、以下の4つです。

  1. サービス付き高齢者向け住宅整備事業
  2. セーフティネット住宅改修事業(住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業)
  3. 人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業
  4. 地域生活拠点型再開発事業

上記の4つにあてはまる事業を提案し、内容が認められると、国から一定の補助が受けられる仕組みです。

現在は事業者向けの施策であり、個人向けではありませんが、今後の拡充が期待されます。

ここからは、スマート住宅とウェルネス住宅の特徴をそれぞれ詳しく解説していきます。

スマート住宅の特徴はエネルギー効率に特化

スマート住宅の特徴は、以下のようなエネルギー効率に特化している点です。

  • 省エネ
  • 創エネ
  • 蓄エネ
  • エネルギーの効率的な利用

スマート住宅は、エネルギー効率をあげるため、おもに以下のような設備を導入します。

目的主な設備
省エネ断熱設備
創エネ太陽光エネルギー、エネファーム
蓄エネ住宅用蓄電池
効率的に使うHEMS:ホームエネルギーマネジメントシステム

エネルギー消費を抑えるために、エネルギーを作り貯め、システムで管理する設備を備えた住宅がスマート住宅なのです。

類似する言葉にスマートホームがありますが、スマート住宅とは大きく特徴が違います。

スマートホームとは、おもに AI機器を駆使した利便性重視の住宅のことを指します。

スマートホームはスマート家電の導入によって実現が可能なため、近年ではスマート住宅と併用する事例も多い傾向です。

省エネは断熱設備で実現できる

省エネは、断熱設備で実現が可能です。

断熱性能をあげ、室内外の温度移動を避けることでエネルギーの消費を抑えます。

住宅の熱は、おもに以下の断熱性能の見直しによって移動を防げます。

  • 窓
  • 屋根
  • 壁
  • 床

以下の表に、具体的な断熱設備や断熱方法をまとめてみました。

窓断熱窓:断熱性に優れたフレームやガラスで作られた窓。種類が豊富。内窓:既存の窓に内側から取り付ける窓。
屋根屋根断熱:屋根裏に断熱材を入れる断熱法。
天井断熱:天井部分に断熱材を入れる断熱法。従来型。
壁充填断熱:柱の間に断熱材を入れる工法。一般的。
外張り断熱:建物全体を断熱材で覆う。機密性が高い。
吹き込み:残熱材の材料を混ぜ、隙間や構造内に吹き込む。
床基礎断熱:基礎のコンクリートを断熱材で覆う。
床下断熱:床下に断熱材を敷く。

他にも、省エネには日射や気密性もポイントとなります。

創エネは太陽光、またはエネファームで実現できる

創エネは実現可能。太陽光・エネファーム

創エネは太陽光、またはエネファームを導入することで実現が可能です。

一般家庭では、以下の設備を導入しエネルギーの収支ゼロを目指します。

創エネ設備特徴
太陽光発電太陽光パネルを屋根に設置。
一般的。
エネファーム水素と酸素を化学反応させ電気とお湯を同時に創る。
家庭用燃料電池。

創エネ設備は、導入時にかかるコストが小さくありません。

しかし、場合によっては導入にあたって国からの補助金がもらえる可能性もあります。

エネルギーの収支の計算と合わせて、創エネ設備導入時には検討が必要です。

蓄エネは住宅用蓄電池で実現できる

蓄エネは、住宅用蓄電池を利用することで実現が可能です。

住宅用蓄電池にもいろいろと種類があり、容量やサイズ、寿命などがメーカーにより異なります。

蓄電池を選ぶ際は、太陽光エネルギーなどの発電設備と併用可能なものであるか、メーカーの保証内容はどのようなものかの確認も重要です。

停電時の使用の可否も、住宅用蓄電池にとって重要なポイントでしょう。

その他、住宅用蓄電池には使い方によって3つの種類に分けられます。

  • 独立型
  • 連係型
  • EV対応型

下記は、上記の3つの種類の特徴を表にまとめたものです。

独立型据置型ともいわれる。
ブレーカーを通じて家庭内に送電。
太陽光システムからの充電は不可。
連係型定置型ともいわれる。
商用電力系統と太陽光発電システムどちらからも充電可。
コンセントではなく、配電盤や電気配線から電気が供給される。
停電の際も太陽光発電システムの作動により蓄電可能。
EV対応型電気自動車を蓄電池として使用可能になるほか、商品によっては連係型と同様に商用電力系統や太陽光発電システムからの蓄電が可能。

独立型は、災害時の予備電源としての利用がおもなため、スマート住宅向きではありません。

HEMSでエネルギーを効率化

HEMSを導入すると、エネルギーの効率化が可能です。

HEMSとはホームエネルギーマネジメントシステムの略のことで、家庭内の電力を効率化するために、電力使用状況の見える化や制御をします。

さらに、HEMSでは電力使用状況のみではなく、太陽光発電システムなどで創り出したエネルギーも把握が可能。

スマートフォンと連携すると、外出先からエアコンの電源を入れたり、施錠の確認をしたり遠隔操作が可能です。

ただし、HEMSと連携が可能な電気機器は限られているため、導入の際は確認をしましょう。

政府は、2030年までにHEMSを住宅の標準設備にすることを目指しています。

ウェルネス住宅の特徴は健康に特化

ウェルネス住宅の特徴は、健康に特化している点です。

人生において長時間を過ごす住居が、人々の安全や健康に影響を与えることは多くの人が理解しているでしょう。

人々が健康に暮らすには、重要な点が4つあります。

  • 温度管理
  • 空気管理
  • 睡眠環境
  • 住宅環境

上記の4つは次の設備により、適切な状態に保てます。

  • バリアフリー
  • 断熱効果
  • 建材・内装材等
  • 空調設備
  • 耐震

上記のように温度や湿度の管理、換気システムの導入、騒音を防ぐことで快適な暮らしが実現可能なのです。

バリアフリー設計で段差をなくし、手すりの設置により高齢者や障害者、子供も安心して生活が送れます。

ウェルネス住宅は、子供やお年寄り、障害者など誰もが安心安全に生活できる家を指します。

スマートウェルネス住宅に期待できることは多岐にわたる

スマートウェルネス住宅。特徴と期待できること

スマートウェルネス住宅に期待できることは、多岐にわたります。

下記の表で、スマートウェルネス住宅の特徴と期待できることをまとめました。

スマートウェルネス住宅の特徴スマートウェルネス住宅に期待できること
・省エネ
・創エネ
・蓄エネ
・HEMS
・環境に配慮
・コスト削減
・収益化
バリアフリー設計快適、安全な環境づくり
断熱効果・ヒートショックを防ぐ
・高血圧の防止
建材・内装材等を厳選・シックハウス症候群の予防
・アレルギー症状の抑制
・空調設備
・防音対策
睡眠環境の改善

スマートウェルネス住宅に期待できることは多く、住宅メーカーや工務店の中には専門性を持って取り組んでいるところも増えています。

設備の導入にはコストがかかるため、スマートウェルネス住宅の実現には、それぞれの利点を考慮したうえで専門的な知識を必要とします。

そのため、スマートウェルネス住宅を建てる際には、より専門性の高い住宅メーカーや工務店を選ぶ必要があるでしょう。

ここからは、スマートウェルネス住宅に期待できることを、ひとつひとつ解説していきます。

高齢者や障害者が住みやすい環境はバリアフリー設計で叶える

高齢者や障害者が住みやすい環境は、バリアフリー設計で叶えられます。

杖や車いすでの生活が安全で快適になるよう、設計段階で依頼が可能です。

バリアフリー設計のおもなポイントは、以下の項目で確認していきます。

  • 住居に入るまでの導線は安全か
  • 住居内に段差や突起物がないか
  • 車いすや介護用の椅子が置ける広さが確保されているか
  • 手すりは適切な箇所に付いているか
  • スイッチやコンセントの位置は適切か

他にも、快適に暮らすために採光や各部屋の温度差などもバリアフリー設計で考慮していきます。

現在、家族に高齢者や障害者がいない場合でも、将来を想定した設計が重要視されています。

ヒートショックや高血圧は断熱効果で予防できる

ヒートショックや高血圧は予防が可能。断熱効果の重要性が注目

ヒートショックや高血圧は、断熱効果により予防が可能です。

現在では研究が進み、適切な温度管理の維持によって、健康状態を良好に保てると広く知られています。

特に冬場の住居内では、リビングなどの暖房設備のある部屋と洗面所やトイレなどそうでない場所とでかなりの温度差ができてしまいます。

住居内の温度差がヒートショックや高血圧の原因となるため、冬場の適正な室温は18度以上とWHOは勧告しているのです。

ヒートショックや高血圧の他にも、冬場の温度差により動脈硬化や循環器疾患のリスクが高まると危惧されています。

日本では温暖な県での冬季死亡率が増加しており、反対に断熱住宅が普及している寒冷地での冬季死亡率が低いことから、断熱効果の重要性が注目されています。

シックハウス症候群やアレルギーは建材、内装材の工夫で抑えられる

シックハウス症候群やアレルギーは、建材や内装材の工夫によって抑えられます。

シックハウス症候群は、新築の住宅やリフォーム後の住宅で発症の起因となりえ、化学物質が影響して身体に不調をきたします。

下記は、新築住宅やリフォームによる化学物質の原因の一例です。

  • 建築材、家具等の塗料
  • 壁紙や床材の接着剤、殺虫剤
  • 防虫シートの薬剤
  • フローリング材のニス

シックハウス症候群の症状はとても多く、引越し後に原因不明の不調が続き、調べてやっとわかることも少なくありません。

下記はシックハウス症候群の症状といわれているものの一例です。

  • 目のちかちか、涙
  • 頭痛、めまい、吐き気
  • 微熱
  • 蕁麻疹、湿疹
  • 咽頭痛、咳

症状には個人差があるため、シックハウス症候群による不調は他にも考えられます。

シックハウス症候群を防ぐためにも、自然素材や化学物質の影響が少ない建材、内装材を選択しましょう。

シックハウス症候群の原因は化学物質といわれていますが、住宅の断熱性や気密性の向上も関係しています。

この他、カビやダニによるアレルギーの発症も断熱性や気密性が大きく関わっているため、住宅の換気性や通気性も重要です。

睡眠環境は空調設備や防音対策で改善できる

睡眠環境は、空調設備や防音対策で改善が可能です。

人びとの健康のために睡眠はとても重要であることは知られていますが、快適な睡眠環境を整える対策はまだ浸透しているとはいえないでしょう。

快適な睡眠環境は、質の高い睡眠にとって必要不可欠です。

十分な睡眠が取れないことで考えられる影響は、以下のものが考えられます。

  • 集中力や思考力の低下
  • 肥満や糖尿病などの生活習慣病
  • 高血圧

睡眠環境には、以下の3つの要因が影響しているといわれています。

  • 光
  • 室温
  • 音

スマートウェルネス住宅の特徴である断熱性や気密性は、室温の調整のみならず、吸音性にも期待できます。

天然素材の建材を使用することで、木の特性である調湿や調温効果、自然の香りがもたらすリラックス効果が睡眠に好影響を与えてくれるのです。

スマートウェルネス住宅は建売でも叶う

建売住宅でも購入が可能。戸建て販売をした実例

スマートウェルネス住宅は、建売住宅でも購入が可能です。

まだまだ事例が多いとはいえませんが、大手不動産会社がスマートウェルネス住宅の戸建て販売をした実例があります。

  • 東急不動産(株)
  • 三井不動産レジデンシャル(株)

上記の不動産会社は、スマートウェルネス住宅が注目され始めた段階で、いち早く参入しています。

東急不動産(株)2016年着工
・ブランズガーデン瀬田
総戸数9戸
三井不動産レジデンシャル(株)2015年着工
・ファインコート等々力
総戸数5戸
・ファインコート深沢
総戸数13戸

その他、戸建て住宅以外にもマンションでスマートウェルネス住宅の特徴を備えたものもあります。

大和ハウス工業(株)2018年竣工
・AQUA Face
総戸数404戸

スマートウェルネス住宅はリフォームでも実現できる

リフォーム工事でも実現が可能

スマートウェルネス住宅は、リフォーム工事でも実現が可能です。

注文住宅や分譲住宅でスマートウェルネス住宅を実現する以外にも、現在住んでいる住居や購入した中古住宅を、スマートウェルネス住宅にリフォームすることで叶えられます。

主なリフォーム工事の例を、以下の表にまとめました。

目的工事例
省エネリフォーム工事・窓ガラスの交換
・内窓の設置
断熱工事・屋根、外壁の断熱工事
・床の断熱工事
設備導入・換気設備
・給湯設備
・暖房設備
バリアフリー工事・手すり取付
・床のフラット化

上記のリフォーム工事例は、国や自治体の補助金の対象となる可能性があります。

しかし、補助金については年度ごとに見直しされる可能性があるため、詳細は自治体やリフォーム会社に相談しましょう。

スマートウェルネス住宅からスマートウエルネスシティ構想へ

スマートウェルネス住宅の認知度が上がるにつれて、スマートウエルネスシティの構想が進められてきています。

各個人の住宅だけではなく、スマートウェルネスの特徴を持つ街づくりが活発化しているのです。

スマートウエルネスシティの特徴として、人々が健康で幸せに暮らすことが挙げられており、健幸と表されています。

スマートウエルネスシティは、自治体主体で構想されており、賛同する自治体も増加傾向にあります。

例えば、新潟県見附市の取り組みが有名で、住んでいるだけで健幸になれるまちづくりを目指した活動や取り組みが盛んです。

見附市では市が事業主となり、市の不動産協会と合同でウエルネスタウンみつけと銘打った住宅地を作っています。

ウエルネスタウンみつけの特徴は、以下の6点です。

  • 無電柱化
  • 2本のプロムナード
  • 3つの公園
  • 洗練された照明
  • 川沿いの遊歩道
  • 安全設計の道路

他にも歩いて行ける距離に6つのクリニックが集積していたり、商業施設に車で3〜5分で行けたりと、利便性に優れているのも特徴です。

さらに、いくつかの条件を満たすことで、家を建てる際には見附市の補助金が受けられます。

活動が盛んなのは見附市だけではなく、Smart Wellness City 首長研究会という自治体主体の組織が発足されており、多くの自治体が加盟しています。

このことから、今後一層活動の幅も広がり、自治体ごとの補助金や施策も期待できるでしょう。

住宅や住宅用地の購入の際には、スマートウエルネスシティ構想や独自の補助金などの取り組みも踏まえて市町村を選ぶことが必要といえます。

参考:内閣府国家戦略室

参考:慶應義塾大学 理工学部 教授 国土交通省補助事業 スマートウェルネス住宅推進調査委員会 幹事・調査解析小委員長 伊香賀 俊治

カテゴリスマートウェルネス住宅

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